遺産相続する後継者を変更するときは遺言の書換えも考えましょう

Q4
私は数年前に会社の後継者である長男に株式を全て遺産相続させる内容の公正証書遺言を作成しました。
しかし、長男は取引先や金融機関からの評判が悪く、経営能力にも問題があるので、後継者を長女に変更したいと考えています。
そこで、遺言の書換えをしたいのですが、どうしたらよいのでしょうか。


遺言は遺言者の最終意思を尊重することとなっており、取り消すことができます。
また、後に作成した遺言が前の遺言の内容と異なる場合には、その部分に関しては前の遺言を取り消したものとみなされます。

したがって、設問の事例で新たに長女に株式を全て遺産相続させる内容の遺言を書けば、株式を全て長男に遺産相続させるとした前の遺言は取り消されたことになります。

もちろん、後から書いた遺言も方式を満たしておく必要があります(Q3参照)。
複数の遺言が生じるケースでは、遺言の有効性などを巡って親族間で深刻なトラブルになることもあるようです。

その間、会社の経営どころではなくなってしまうかもしれません。
そうならないためにも、遺言を書き直す際も司法書士などの専門家に相談されることをお勧めします。(※)

(※)公正証書遺言の場合、入院などで公証役場に出向くことができないときは、公証人に来てもらうこともできます。

2009年11月17日