相続登記でお悩みの方へ
「特定の相続人に不動産を相続させたい」ときに知っておくべきこと
「被相続人が遺言書を残さずに亡くなってしまったが、家や土地などの不動産を特定の相続人に相続させたい」というご相談は多くあります。
この記事では、日本司法書士会連合会の公式情報ポータル「しほサーチ」で紹介されている
👉 相続登記について 相続人の誰かに特定の不動産を相続させたいなら
という記事をもとに、相続登記の基本と注意点をわかりやすくご紹介します。
📘 記事の内容まとめ
相続登記において、特定の相続人に特定の不動産を相続させたい場合には、遺言書の有無が大きな分かれ道になります。
遺言書があれば、被相続人の意思に従って、相続登記を比較的スムーズに行うことができます。たとえば、「長男にこの家を相続させる」といった内容が明記されていれば、その遺言書を使って単独で登記手続きを進めることが可能です。
一方で、遺言書がない場合には、法定相続人全員による遺産分割協議が必要になります。これは、誰がどの財産を取得するかを話し合い、合意の上で決定するものです。合意が成立したら、それを「遺産分割協議書」として書面にまとめ、相続人全員の署名・実印押印、印鑑証明書を添えて法務局に提出することで相続登記が可能になります。
しかし、この遺産分割協議がスムーズに進まないこともあります。たとえば、相続人間の意見の対立、認知症や未成年の相続人がいる場合、行方不明者や海外在住者がいるといった事情があると、手続きは複雑化し、精神的・時間的な負担も大きくなります。
また、2024年4月からは相続登記が義務化されており、相続が発生してから3年以内に登記を行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。
こうした事情から、相続登記をスムーズに進めるためには、生前に遺言書を準備しておくことや、手続きで不安がある場合には司法書士など専門家に相談することが非常に重要です。
❓よくあるご質問(Q&A)
Q1: 遺言書がない場合、相続はどのように進みますか?
A1: 遺言書がないときは、民法に定められた「法定相続分」に基づいて相続人全員が遺産を相続します。その後、遺産を具体的に誰がどのように受け取るかについて、相続人全員で話し合う「遺産分割協議」が必要になります。
Q2: 遺言書がない場合、特定の不動産を特定の相続人に相続させるにはどうすればよいですか?
A2: 相続人全員で協議を行い、「誰がどの不動産を相続するか」に全員が合意する必要があります。合意内容を記した「遺産分割協議書」に全員が署名・実印を押し、印鑑証明書を添付して、法務局で相続登記を行います。
Q3: 遺言書がない場合、遺産分割協議は必ず必要ですか?
A3: はい。特定の不動産を特定の人に相続させる場合も、相続人全員の合意がないと分割はできません。
Q4: 遺産分割協議がスムーズに進まないのはどのような場合ですか?
A4: 以下のような場合が考えられます:
- 相続人同士の意見が対立する場合
- 認知症や未成年の相続人がいる場合
- 行方不明の相続人がいる場合
- 海外在住で書類準備に時間がかかる場合
このようなときは、家庭裁判所で代理人(成年後見人など)を選任してもらう必要があります。
Q5: 遺言書がない場合の相続登記の手続きは?
A5: 遺産分割協議書、相続人全員の戸籍・住民票・印鑑証明書などの必要書類を揃え、法務局に申請します。登記が完了すると、不動産の名義が特定の相続人に変更されます。
Q6: 遺言書がない場合、相続人にどのような負担がありますか?
A6: 以下のような負担があります:
- 時間的負担:協議や書類準備に時間がかかる
- 費用負担:調停や代理人選任による費用発生
- 精神的負担:相続人間の対立や長期化によるストレス
これらを避けるためにも、生前の遺言書作成や、司法書士への早期相談が推奨されます。
📌 専門家のサポートを受けましょう
相続登記は義務化され、より多くの方が対応を迫られる時代となっています。特定の不動産を円満に相続させたいとお考えの方は、ぜひ一度、司法書士にご相談ください。