遺産相続登記に必要な戸籍の取り方

戸籍が必要とされる場面というのは、あまり見かけないのですが、

不動産の遺産相続による名義変更(相続登記申請)
家庭裁判所での遺産分割協議
被相続人名義の銀行口座の解約
年金関係・保険関係の手続き

などの相続に関する手続きで要求されます。

各種手続きに必要な戸籍の一式書類を集めるのは大変面倒くさくて時間がかかるものですが、不動産の相続登記、家庭裁判所での遺産分割手続きなどに必要な戸籍は、司法書士に依頼すればすべて揃えることができますので、ぜひご依頼ください。


以下では、実際にどこでどのように取得するかについて、相続登記を中心にご紹介します。

戸籍はどこでとるのか

土地建物の相続登記をするには、亡くなった方(被相続人)の生まれてから亡くなるまでの戸籍と、相続人全員の戸籍謄抄本をとらなければなりません。

戸籍は、本籍地の市町村役場で取得することができます。

住民票は、住所地の役所で取得することができますが、本籍は、住所地と同じ場所にあるとは限りませんので、わからないときは「本籍地」を調べなくてはなりません。

本籍地の調査方法としては、

1.本籍の記載のある住民票をとってみる
2.お父さんお母さんに聞いてみる
3.古い免許証を見る
4.警察署・免許センターで教えてもらう

などでしょうか。

1の本籍が記載された住民票をとるのが一番確実ですね。

最近は、本籍とか、世帯主・続柄・引っ越し前の従前の住所など、住民票(住民票記載事項証明書)の交付申請時に記載するように申請しないと記載されないので、「本籍」を記載するよう申し出てください。


2は、被相続人の配偶者に聞いてみる訳ですから、本籍は同じなので、お父さんお母さんが知っていれば本籍が判明しますね。

3は、被相続人の昔の免許証には本籍が載っていたので、それを見れば判明するかもということです。

4は、現在は、免許証には本籍は記載されていませんが、データとしては保存されているので、警察署・免許センタなどに行って隠れたデータを見るための暗証番号を伝えることで本籍を教えてもらえるようです。
ただし、この確認方法は、本人が免許証を持っていって問い合わせた場合で、すでになくなった人の免許証を持っていって問い合わせても教えてくれません。

この方法は、相続人が自分の本籍を確認して、通常は男の子であれば被相続人と同じ本籍の確率が高いのでわかるかもしれないという感じです。
なので、結婚して姓が変わった女性とか、婿養子に入ったとかの場合はだめかもしれません。

相続関係の戸籍をとる

本籍がわかれば、被相続人の亡くなったときの最後の戸籍をとることができます。
土地建物の相続登記をするには、基本的に生まれてから亡くなるまでの戸籍をとって、相続人が誰か調査する必要があります。

実際には、亡くなったときの戸籍を見て、結婚前の両親の戸籍をとり、さらに祖父母の戸籍まで遡らなくてはならない場合もあります。

両親の一方が亡くなったときは、

1.被相続人が生まれたときの祖父母の戸籍(除籍又は改製原戸籍)
2.被相続人が結婚してできたときの戸籍(コンピュータ化で改製原戸籍になっている)
3.死亡したときの現在の戸籍

ぐらいをとればよさそうです。

1~3の間に、転籍(本籍を変えること)したり、離婚したりすればその履歴の戸籍もとらなくてはなりません。

これらの戸籍をとれば、1~3の間に子供が生まれて相続人が誰になるのかがわかります。

相続人がわかれば、その相続人の戸籍謄本を取って生存を確認することになります。