土地の相続登記をする場合、その不動産1筆(※)の評価(価額)が10万円以下なら登録免許税がかかりません。
(※)土地には地番がついています。1個の土地を指す単位を「筆」(ふで)といいます。1個の土地なら1筆(いっぴつ)、2つなら2筆(にひつ)というように数えます。
平成30年度の税制改正で、相続の場合の土地の所有権移転の登記の場合、上記のように登録免許税を免税する措置が設けられていました。
市街化区域外の土地で市町村の行政目的のため相続登記の促進を特に図る必要があるものとして法務大臣が指定する土地のうち,不動産の価額が10万円以下の土地に係る登録免許税の免税措置
土地について相続(相続人に対する遺贈も含みます。)による所有権の移転の登記を受ける場合において、当該土地が市街化区域外の土地であって、市町村の行政目的のため相続による土地の所有権の移転の登記の促進を特に図る必要があるものとして、法務大臣が指定する土地(下欄参照)のうち、不動産の価額が10万円以下の土地であるときは、平成30年11月15日(※)から平成33年(2021年)3月31日までの間に受ける当該土地の相続による所有権の移転の登記については,登録免許税を課さないこととされました。
※所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(平成30年法律第49号)の施行日
この減免措置が、令和3年度の税制改正で、1年延長予定となってます。
相続登記を促進する措置だと思うのですが、登録免許税は土地の価額の0.4%。
1,000万円の評価で4万円。
ということは土地の評価が10万円の印紙代(登録免許税)は400円。
田舎の田畑の農地や山林は1筆の面積が小さい細切れのところも多いですし、評価が1万円以下というか何百円、何十円の土地もざらなので、土地の筆数が100筆あっても100万円になるかどうか、100万円の評価だと4000円分の登録免許税が免税となる(それでも大きいですが)だけなので、相続登記の促進という意味ではその効果はあるのかどうかは疑問なところです。
この評価が10万円以下が免税対象となる租税特別措置法84条の2の3第2項の登記の対象となる土地ですが、高知地方法務局管内の四万十市周辺の市町村の
四万十市
宿毛市
土佐清水市
幡多郡黒潮町
幡多郡大月町
幡多郡三原村
高岡郡四万十町
は、市街化区域を除いて全域が免税の対象です。
→四万十市の都市計画総括図
→参考:幡多郡黒潮町、幡東都市計画一団地の津波防災拠点市街地形成施設の都市計画決定図書の縦覧
→参考:宿毛市用途地域マップ
高知県内でも
高知市
南国市
香美市
吾川郡いの町
が、一部未対象地区がありますがほぼ対象地区で、その他の市町村も全域(市街化区域を除く)が対象となっています。